7月の「あったか読書会」リポート

 

子どもたちは夏休みですが まだ梅雨空の仙台です 

今日の読書会には 久しぶりに参加された方もおられて 

紹介される本も 多彩になりました・・・!

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T.Yさん

 

「かぜのでんわ」   いもとようこ:著・イラスト

             金の星社:刊

 

  やまのうえに いちだいの でんわがおいてあります。

  きょうも だれかが やってきました。

  せんのつながっていない そのでんわで はなしをするために。。。

 

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   絵本のモデルとなった電話は、東日本大震災の被災地、

   岩手県大槌町佐々木格さん(ガーデンデザイナー)が 

   自宅の庭に置いた「風の電話ボックス」

   

   そこには、

 

   風の電話は 心で話します。

   静かに目を閉じて 耳を澄ましてください・・・(後略)

 

   と書いてあるそうです。

              (NHKテレビでも放送されましたね。)

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 ★朗読を学んでおられるTさんが 絵本を読んでくださいました!

  読みきかせをしていただくのも、いいものですね。

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  T.Tさん

                           

「日本残酷物語」   宮本常一・山本周五郎・揖西高速・山代巴:著

               平凡社:刊

 

 かつての日本の庶民の歴史が書かれています。

 日常的な飢え。姥捨て山など虐げられるお年寄りや女性。

 結婚にいたる状況、子どもができない女性への仕打ち。

 「残酷物語」というタイトルですが、かつての日本のありふれた

 光景の記録です。

 

 老人はうやまれていたというが、農村ではどうだったのか。

 女性の結婚は就職のようなものだった。

 江戸、明治、昭和初期の庶民の生きる辛さが綴られている。

 

  (今回の参加メンバーは、70代~30代まで)

 

 「ただ、生きるために、生きている人が多かったのだと思った。

  単純に昔を美化しては いけない」

  若手のT.Tさんの感想でした。

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Iさん

 

「老いも、病いも、受け入れよう」  瀬戸内寂聴:著

                    新潮社:刊                

 

 本書の帯にあります。

 

 死の淵から生還した94歳

 はじめての闘病記 病になってわかった 元気と長寿の秘訣とは?

 

 第1章 老いに挑戦 ⇒ 老いてもきれいに・やせてはいけない・・・

 第2章 病に負けない⇒ 私が鬱になるなんて・治ると信じる力・・・

 第3章 長生きしよう⇒ 日常生活で続けるリハビリ・・・ 

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 遠くに住む、敬愛する高齢の友人からの葉書に書かれていた

 「寂しい」「辛い」の言葉に 何かお力になれないかと考えて

 見つけたのが 瀬戸内寂聴の本書だったそうです。

 

 早速 お送りすると、友人からお礼の絵葉書が届き、そこには、

 「この本に触発されて、おしゃれをして出かけ、お友達にこの本のこと 

  を話し、美術館に行き、ランチをしました。」

 とあったそうです。

 

 「最後の財産は、友」の、本書の言葉を実感したそうです。

  言葉の力、本の力も。 

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 Mさん・・・6月と同じですが・・・

 

「アポリア: あしたの風」

 

            いとうみく:著 宍戸清孝:写真 童心社:刊

 

大地震が発生した首都に住む、中学2年生の男の子を主役にした長編小説。

 

タイトルにもなっている「アポリア」とは、「解決の糸口を見いだせない難問」、

転じて「道のないこと」という意味のギリシャ語。

大地震と津波に襲われて母を失った主人公は、「なぜ自分が生き残ったのか」と

深い苦悩に陥る。

自分よりももっと生きる価値のある人がいた、という主人公の苦しみは、

東日本大震災が発生したときに多くの人が感じたものだ。

 

本書には、ところどころに震災の写真が挟まれています。

個人のトラウマを想起させない程度の瓦礫の写真は、挿入方法もおしゃれ。

本のラストには 見開きで桜の写真が掲載されており、希望を感じさせます。

写真家、宍戸清孝のモノクロ写真を眺めているだけでも 

胸に迫るものがある1冊です!                          

 

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 次回は、決まりしだい お知らせいたします❤