11月の読書会より

11月17日(火)「あったか読書会」より

立冬が過ぎ、銀杏落葉に彩られた杜の都です。

11月の読書会の参加者は、Oさん・Maさん・Miさん・水月あす薫さん・Kの5名。

                           report:K

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● Oさん

 

 『失われた風景(日系カナダ漁民の記録から)』

                   山形孝夫:著 未来社:刊

宮城県登米市の農村を舞台にした密航事件の顛末。

明治39(1906)91日、延城県牡鹿郡萩ノ浜から、一艘の帆船が沖合のもやの中に消えていった。密航船水安丸である。

及川甚三郎を中心に、凶作による貧困を逃れ、故郷に錦を飾ることを夢みて、海をわたった83名(女性3名)の人びとの生涯。それぞれの人生を追う。

差別と闘いカナダ社会に漁民として、生きる権利をかちとっていった二世たちの姿と心を描く。宗教学者による異色のドキュメント。

カナダと宮城との関わりについては『密航船水安丸』(著:新田次郎)に詳しい。

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最近、登米市の「隠れキリシタンの里」を訪れたというOさん。

1955年に300人以上の人が洗礼を受けたことに驚いたそうです。

その地を訪ねた直後、この本との出合いがあったそうです。  

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「あの日、マーラーが」 藤谷 治:著  朝日新聞出版:刊

2011311日。

東京・錦糸町の錦糸ホールで、新世界交響楽団のコンサートが開かれようとしていた。

演目はマーラーの交響曲第5番。

1446分、風景は一変。

震災による混乱の中、会場に向かう人たち100人。演奏会は開催された。

実話を元にしたフィクション。

 読書会参加者によって、「震災トーク」が熱く交わされました。

あの時の仙台のこと。一人一人が違う。

「語り始めたら、一人一冊の本になる」

水月あす薫さんが語られました。

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● Miさん

 客家(はっか)大富豪 18の金言』 甘粕 正:著 講談社:刊

 東洋のユダヤ人「客家」に伝わる成功の秘伝、アジアの政財界を牛耳ってきた「客家」が大切にする人生の教訓。

伝授された著者が成功する方法を具体的に報告。

 事業の成功はあくまで結果であって目的ではない。

「あなたの回りの人間を幸せにし、それによってあなた自身を幸せにする」

その方法の集大成 。

 客家の18の金言(一部をご紹介)

  1.運は親切をした相手の背中から来る

 2.許すことを知れば運命は変えられる

 3.退却は重要な才能なり

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17.「ありがとう」は必ず声に出すべし

  など、18の金言が紹介されています。

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 ● Maさん

 『ミステリを書く10のステップ』 野崎 六助:著 東京創元社:刊

 「とにかく毎日書きなさい」

毎日、一時間でも二時間でも。

どんなにひどい環境であっても、

書く時間を確保することだ。

 つまり、あなたも一時間で、三枚から五枚は書けるということだ。

 一日に三枚書けば、十日で三十枚になる。二十五日の稼動の計算で、七十五枚になる。

 コリン・デクスターは言っている。

小説の書き方を教える人が、

「下らないものを山ほど書くように勧めないことは正しくない」と。

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 ● 水月あす薫さん

 『乱歩賞作家 黒の謎』講談社文庫

           (鳴海章・桐野夏生・野沢尚・三浦明博・赤井三尋)

 「花男」鳴海章

江戸川乱歩賞作家

「妻・息子と三人暮らしの主人公の男

息子は妻の連れ子。決してうまくいっていないわけではないが、

家族になるために、人には言えない苦労がある。

だが本当の彼の苦悩は、かつて妻との間に出来た子供が、

人の形にならずに、流れてしまった過去だった。

泣いて謝る妻に、また生んでほしいと言えない男。

男には確信があった。

失った子供が、いつか還ってくると。

そして思わぬ形で、その邂逅が。」

 かつて不条理、アングラが好まれ、

唐十郎や寺山修司が持て囃された時代があった。

彼らほどの強烈さは無いが、この現実からの不条理を思う時、

江戸川乱歩の「人間椅子」を求める作家も少なくないのだと感じた。

(水月あす薫氏write

                          つづく・・・ 


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次回→ と き: 12月22日(火)13:30~


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