「あったかるーむ」の窓から見える 定禅寺通のケヤキ並木も、
冬から 若葉の萌える初夏へと 季節がうつりそうな気配。
春3月は、卒業式や入学試験の発表があったり etcで、平日の午後の読書会は、
参加する予定だった方が 突然に予定が入ったり。。。
今回は、IさんとTの二人。 おかげさまで、じっくりお話しできました。
report by: T.T
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Iさん
「おわらない音楽 私の履歴書」 小澤 征爾:著 日本経済新聞社刊
日経新聞に掲載されていた指揮者小澤 征爾の「私の履歴書」が書籍化されたもの。
当初ピアニストを目指していたという小澤氏でしたが、ラグビーの試合で大けがをして、断念せざるを得なくなりました。その後、指揮者をめざし、ブザンソン指揮者コンクールで第一位に輝き、指揮者、小澤征爾の誕生です。
世界的指揮者セイジ・オザワは、語ります。
「現在の自分があるのは、いろんな人との出会いや、応援があったから。」
カラヤン・ミュンシュ・バーンスタイン・井上靖 等々
多くの人々に支えてもらった小澤さん。
彼の人間的魅力を、皆さんは どのように感じますか?
毎年、夏、長野県松本で開催されていた「サイトウ・キネン・フェスティバル」は
今夏から、「セイジ・オザワ松本フェスティバル」に名前がかわるそうです。
聴きに行きたいなぁ~!
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Tさん
「ドミトリーともきんす」 高野 文子著 :中央公論新社 刊
不思議な学生寮「ドミトリーともきんす」
2階には、寮生さんが4人。
朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹、日本を代表する4人の科学者が、
ともに暮らす、という設定の漫画です。
まるで、「子供たちへの科学入門」のようでもありつつ、けして説教じみてはおらず、
エッセイのようでもあり、漫画、というジャンルにおさまらない作品。
彼らは、子供の頃抱いた、「好き」という気持ちを大人になってももち続けてきた人たち。
雪の結晶の形、花弁の形、光の通る道筋・・・・。
大人になるとたいていの人が気に留めなくなる、日常にひそむ不思議を、
生涯探求し続けた情熱が、羨ましいです!
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「風」 青山 七恵 著:河出書房新社 刊
「ひとり日和」で、第136回芥川賞を受賞した作家による作品。
ドラマチックな展開に頼らず、平凡な人の日常生活を緻密に描くのが得意な作家です。
まず、緑の地に「風」の文字が吹きぬけているような表紙に、魅かれます。
大手下着メーカーの同期で、営業成績がビリだった2人の女性が親しくなります。
しかし、作中の言葉を借りれば、友情にも燃え尽きるときがくるのです。
一人は結婚し、昇進していくのに対し、
もう一人は退職し、パートの仕事をしつつ、趣味の音楽に重心を置くようになって、
次第にすれ違う2人の、友情の終わりまでを描いています。
恋愛と違い、友情の終わりは自然消滅が多いのではないでしょうか