10月の「あったか読書会」より

 

「読書の秋」ですね!

10月の読書会は、ご都合が悪かったり、体調のすぐれない方がいて

参加者2人の、まったりとした会になりました。

秋口のやわらかな陽射しを受けながら、じっくり本の話をする、

幸せな時間でした。                             

                                                                                        

                   report:o.F
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Oさん


◎「世界の絶景さんぽ」 H.I.S.:著 二見書房:刊

   

H.I.S.のメンバーが選んだ、行ってみたい秘境や美しい街をまとめた本。

国内の観光地、世界遺産から、映画やアニメの舞台となった景色まで。

見開き構成になっており、左のページに絶景の写真、右のページに見所や

行き方、名物などを載せている。

世界のスイーツや飲み物を紹介するコラムページも。

 

眺めているだけで楽しい「絶景」写真が満載の本書。

読書会でも「この景色はすごい!」「どこに行きたい?」と盛り上がりました。

 

Mさんが本書からおすすめする旅行地は、岩手県の龍泉洞。

以前も行かれたことがあり、思い出を話してくださいました。

 

洞窟の中に、エメラルド色の地底湖が広がっているそうです。

水深何百メートルともいわれるエメラルド色の湖。

見ていると吸い込まれそうに感じるとか。

仙台からは日帰り旅行もできるとのことで、ますます行きたくなりました。

 

 

◎「ネコを撮る」  岩合光昭:著 朝日新書:刊

 

動物写真家、岩合光昭が語る「ネコの撮り方、撮る時の過ごし方」。

猫は朝日が差す時間帯に動き出すので、早朝の街で被写体を探すこと。

野良猫を撮る時は、警戒心を抱かせないよう、まず声をかけること。

テクニックよりも心構えに紙幅を割いた、猫への愛情にあふれる本です。

 

紹介者のOさんも、Mさんも、猫が大好き。

ひとしきり猫の話に花が咲きましたが、著者の岩合さんの猫好きには敵わない、ということでまとまりました。

「ネコ科の動物が爪を研いでいる時の気持ちを考えているだけで一日が終る」

という岩合さん。彼の写真が親しまれる理由が分かるような、愛情深さです。

 

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Mさん

 

◎「宮澤賢治に聞く」  井上ひさし:著 ネスコ:刊

 

宮澤賢治との架空対談を行い、賢治の生涯を紹介し、生原稿の写真も載せた、

趣向をこらした賢治オマージュ。

井上ひさしの読みやすい文章で、深い納得を得られる一冊です。

 

紹介者のMさんを惹きつけたのは、序盤のこの部分。

 

「これから人間はこうあるべきだという手本。その見本の一つが宮澤賢治だ

という気がしてなりません。……

科学と宗教とは、……それぞれ反対の方角を目指しています。……ところが

賢治のなかでは、このふたつのものがたがいのお目付役をつとめていたよう

に思われます。そしてこのふたつのものの中間に、文学がありました。」

 

文学を学ぶこと、文章を書くことには、自分を見つめるという側面もあります。

科学と宗教、どちらにも親しむ賢治は、文学によってバランスを取り、自分の

生き方を深めていたのでしょう。

 

 

◎「山にいのちを返す―大蔵山採石場にて  山田政博:著 石文社:刊

 

石材業四代目を継いだ著者が、宮城県丸森町の大蔵山に焦点をあわせて

採石という仕事のことや、石のもつ霊性について書いた本。

 

「今、霊を感じることなんて少ない。そうなったのは、本当に人間の傲慢さ

だと思う。応用化学が大きな顔をし過ぎていると思いませんか?」

 

著者によると、石は切っていくときに悲鳴をあげるという。

石が岩盤から切り崩された瞬間、石は眠りからさめる。石を割ると中の蒸気

が一気に抜けて、軋み音が出る。そういうことを何度もやっていると、

石には霊力があると感じる。

  

採石場からは丸い石が出てくることもある。まるで地球の卵のようだ。

地球のマグマがせり上がってきて、冷えて、石になり、また地中に眠る。

地震や地盤の変化でたまたま出てくることもある。

 

前述の宮澤賢治も、石に親しんでいました。

何億年もかけて地中で磨かれてきた石に、霊的な何かを見出していました。

現代人とは根本的にものの見方が違う、と紹介者のMさんはおっしゃいました。

 

科学に偏りすぎている現代、こうした本を読んで霊的な視点をもつのが

必要ではないかと感じました。

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 次回は 11月12日(水)13:30~

       「あったかるーむ」で。。。